高山右近(洗礼名・ジュスト)、
織田長益(同・ジョアン)、
黒田官兵衛孝高(同・シメオン)、
蒲生賦秀=氏郷(同・レオン)。
『へうげもの』登場人物には
キリシタン大名がけっこういます。
連載開始以来、名バイプレーヤーとして活躍しながら、
作者の都合により、つい先日サクッと葬られた古田左介(織部)の義兄・
中川清秀も受洗していたとの噂。
左介もキリシタンだった。
信長も利休(宗易)もキリシタンだった。
そういう説もあったりするワケですが、
新しもの好き、へうげたものが好きな人間は誰しも、
未知との遭遇に大興奮。
信仰心の有無にかかわらず、
こいつは
「イカす」と思ったのではないかと
(未詳)。

ルイス・フロイス
『完訳フロイス日本史』(全12巻・中央公論新社)には、
信長が安土のセミナリオに響き渡る賛美歌に心ひかれたとか、
大阪城で宣教師たちの演奏を聴いた秀吉が、
アンコールをせがんだなどの記述があります。
16世紀後半、日本人はすでに
「洋楽」と遭遇していたワケです。
横田庄一郎
『キリシタンと西洋音楽』(朔北社)に、
このあたりの状況が詳しく書かれていました。
バロック音楽などの研究で知られる
皆川達夫は約30年前、
九州の
隠れキリシタンの間に伝承されてきた
「オラショ」と出会い、
その原形がラテン語聖歌であることを解明。
『洋楽渡来考 キリシタン音楽の栄光と挫折』(日本キリスト教団出版局)、
『CD&DVD版 洋楽渡来考』(日本伝統文化振興財団)で、
日本における西洋音楽の「ルーツ」が語られます。
迫害、受難といった歴史を考えると、
「オラショ」って
「ブルーズ」みたいなものかもしれない。
cf. 山本おさむ『Hey!! ブルースマン』(全3巻・講談社)
平本アキラ『俺と悪魔のブルーズ』(1〜3・同)
そんな気がしないでもありませんとははなはだ牽強付会。
黒人音楽が好きな作者の仕事場に、
近日中オラショが流れるというかムリヤリ流す予定です。
今後の『へうげもの』にいかなる影響を与えるのか。
キリシタンというキーワードが左介自身にどう投影されるのか。
……それはまったく別の話であります。
とりあえず『へうげもの』読者のみなさまに、
来週もデウスのご加護がありますように。
ジーザス!! アーメン!!!
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