このブログの更新通知を受け取る場合はここをクリック
作者の編集部も吃驚仰天。古田織部のご.. 古田織部の子孫...
vol.690. 絶体絶命、S.O... 文禄・慶長の役で日本軍を...
vol.563. 上田宗箇作 赤楽茶.. 『へうげもの』が誇るいじ...
vol.860. 講談社文庫版『へう.. 日本全国お暑うございます...
vol.365. 史上最大の誤算〜へ.. 前回,伊達”バリバリ”政...
『センゴク』仙石秀久と『へうげもの』.. 同じ時代を推定150...
vol.705. 細川ガラシャ〜山田.. 老いたか秀吉。地雷を踏み...
vol.487. THE織部アーチス.. 瀬戸の陶芸家・中島勝乃利...
わび数奇者・山上宗二、明日なき暴走〜.. 隔週連載にて蒙御...
vol.859. 『へうげもの』最新.. カバーがほぼでき上がりま...
2007年秋,サントリー美術館の茶室で〈へうげもの大茶湯 in 六本木〉を敢行しました。プロデュースしてくれたのは若手茶人・木村宗慎。利休自刃の一因となった大徳寺金毛閣を取材できたのも,ほかならぬ彼のおかげでした。茶道芳心会を率い,茶都・京都を拠点に幅広く活躍する木村が,このたび『利休入門』(新潮社・とんぼの本)を上梓。神格化,偶像化された「教祖」の事績を再発見。その真価を問う一冊です。 後世の人間は誰一人として利休の事実も真実も知らない。利休当時の茶の湯と現代の茶道は異なる。伝承や逸話によって一人歩きした神話をいったん忘れ去らねば,いまにふさわしい茶の湯の展開はあり得ない。「利休本位制」から変動相場制への転換を図ろう。伝統と一歩距離を置き,独自の活動に努める木村ならではの主張です。懐疑と否定を通じ,初めてわかる「神」は長い友だち。利休を敬愛するがゆえ,あえて屍を乗り越えようということでしょうか。 「利休さんがいまの茶の湯を見たら驚くと思う」とは,本書に登場する武者小路千家家元・千宗守氏の言葉。男たちが胡座をかき談論風発。時に茶室で命のやりとり。利休時代の茶の湯は自由でダイナミックであったいう。かような想像をもとに『へうげもの』は始まりました。この作者は茶道を知らない,正しい作法を勉強しなさい。連載当初,茶道を習っている主に女性の方々から,かようなお叱りを頂戴したのも,むべなるかな。「茶道漫画」に非ずということで,不見識をお許しくだされ。 (*古田織部も本書にちょろっと登場します) 作中ですでに描いたとおり,利休は「右向け左」てなことをポリシーとしていたらしい。一部では背教者の如く扱われる古田織部こそ,師の教えに誰よりも忠実な弟子であった(と思いたい)。見ようによってはえげつない逸脱も「R.I.P.利休」の精神から。単行本第9巻で壮絶に黄泉へと旅立ちましたが,千利休は永久に不滅です。無二の伴走者・秀吉の生涯もどうやら晩節。追想の中の再登場に備え,織部の末裔……木村宗慎『利休入門』をオススメします。 タグ: 木村宗慎 利休入門 千利休 みんなの木村宗慎をまとめ読み