東京・神楽坂にある酒亭
〈伊勢藤〉のお通しは一汁四菜。
ほかにも肴はありますが、あらかじめ出されたものだけで、
燗酒をたのしむヒトが多いようです
(日本酒しかありません)。
私語厳禁という暗黙の掟に賛否両論はあるものの、
酒はひとりでたしなむがよい二合半主義者なら、
たまに行きたい「逸軒」といえるかもしれません。
(わざわざいわなくても、あまりに知られた店なんですが)
筒井紘一
『懐石の研究』(淡交社)を読みながら、この店を思い出しました。
「食事は飢えぬほどがよい」
千利休の「もてなし」は一汁三菜。
晩年の茶席では、さらに質素な一汁二菜です。
来客に備えてわざわざ献立を調えるのではなく、
日頃食べているものをさりげなく出すあたりが、心憎いところ。
粗末なものばかり食わせるなと、怒るヒトがいたかもしれません。
いてくれたほうが、話としてはおもしろいです。
利休亡き後、茶の湯の天下一宗匠となった古田織部は、
師の教えに反した「背教者」ともされていますが、
こと料理に関する限り、利休以上に「わび」を極めたと、同書にはあります。
手ずから料理を振る舞った記録も残されていて、思わずうれしくなりました。
(茶人とはそういうものなんでしょうが)
単行本第2服所収「安土盛り」に次ぐ、織部クッキングとは。
「ろくろさばき」ならぬ「包丁さばき」をお目にかける日が、
いずれ来ようかと思われます。
へうげもの界の荒岩一味・古田織部の腕前にご期待ください。
うまいぞっ!?
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