北大路魯山人と言えば、タイトルが
「美」ではじまって
「ぼ」で終わる、
某大ベストセラー漫画の主人公の父親のモデル……とも言われている芸術家。
ある時は書家、ある時は料理家、はたまたある時は陶芸家と、
少なくとも
七つの顔を持つ男であります。
この『魯山人陶説』と
『魯山人味道』こそ、
『美○○○ぼ』の原点にちがいありません。
昭和の初め、美濃焼リバイバルの折には、
わざわざ人を雇ってまで陶片を集めまくったという。
モノを愛する情熱、執念にも近い物欲は、
古田織部@へうげものと、大いに通ずるところがあるかもしれません。
『へうげもの』的に都合のよい記述を、『魯山人陶説』から以下抜粋。
「瀬戸黒だね、俺が茶碗をつくるとしたら……考えてみたら、織田信長の気風が見えるではないか」(「瀬戸黒の話」)
「……織部の特色は、器体の精作なる点と、絵のうまいこと、絵が生でなくよく図案化されていること、写生がそのままでなく、よく省略されていること、そこに草色の丹礬釉がかかっていることである。そうして、純日本の香りの高いことなどが異彩であって、その類例が世界の何処にもないこと……」(「織部という陶器」)
じゃあ、「織部焼」はどのようにして生まれたのか。
「……古田織部より以前に、織部という陶器は産れておったのだ。もっとも、その当時は織部という名称はなかったろうから、なんとか外の名を言っていたのであろう。今日織部と言いならすところの陶器は、利休時代に有名であった古田織部が、やかましく好んだところから、遂に織部という名を成したのであろう」(「織部という陶器」)
先週発売の50号で描いた
「織部十作」は、
はからずも魯山人の言説を肯定したように思います。
プロデューサー。コーディネーター。オーガナイザー。デザイナー。
爆発的な流行には、そうした存在が不可欠です。
怪男児・古田織部がこの先なにをしでかすのか。
編集部もたのしみでなりません。
【関連サイト】
☆週刊モーニングオフィシャルサイト〈e-モーニング〉『へうげもの』
☆モーニング25周年スペシャルサイト
☆Yahoo! JAPANモーニング創刊25周年総力特集
☆同・公式ブログモーニング編集部便り
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